とある大学での講演を聴きにいったという話

先日、東京大学本郷キャンパスで五月祭があって、講演に足を運んでみた。

講演者は「僕は君たちに武器を配りたい」の著者、瀧本哲史。

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

テーマは「武器としての教養」。

彼の著作には”武器としての〇〇”という本が2冊ある。

武器として。その名の通り、彼は学生に武器を配って回っている。「思考」という名の。

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)

話すのがめちゃくちゃ速い。内容がむちゃくちゃ面白い。

普通の人の2倍くらいのスピードで話をする。イメージで理解していかないと追いつかない。何を言いたいかが非常にコンパクトにまとまっている。そして刺激的だった。

以下、講演の内容。

※内容は脳内で再編集したため個人的バイアスがかかっています。

あくまで私個人がこう受け取ったという内容です。

今、世界で前提が崩れ始めている 

 1.課題を解く→課題を発見する へのシフト

 2.最適化(集団での効用関数最大化)→トレードオフ/価値観多様化 へのシフト

 3.改善→破壊的イノベーション へのシフト

 #これはよく言われることですね。大きな転換期にいると。

#個人的には、価値観の変容はもっと根本的な価値観の変容に繋がっていくと考えているのですが、これについてはまた機会のあるときに記事にします。

大企業で成功する方法

大企業で出世する方法というのは、がんばっちゃだめなんです。

成功したら自分の手柄にする。失敗したら逃げるんですね。

成功するためにがんばるよりも、いかに自分が貢献したかということと、いかに自分のせいじゃないかということをアピールする能力というのが大事なんですね。

#親父の背中をみていて、感じる部分はある。

#大企業を卒業した人と、起業して今の今まで第一線でやってきた人とでは、緊張感も違うし周りに与える影響力も大きく違う。

成功するための鍵は、ダイバーシティ

自分と層が全く違う人、違う経験をしている人のアドバイスっていうのが成功のために役に立つということが今立証されています。

大学というのも、そもそもこういった狙いがあって設立されているものです。

#大学で価値観を広げるという目標の妥当性と目標達成度

Twitterやブログなど、ITの発達に伴って、ダイバーシティを感じられる機会が増えてきた。

教養=様々な分野で繋がるための素養

なんで人々に教養が必要なのかというと、様々な分野を取り込むために教養が必要なんですね。新しい視点を見つけるために、直接的に教養から学ぶということもありますが、教養があることで人と繋がり、その人から視点をもらうということが大切なんですね。

私もデザインに関する一定の知識は持っていますが、それはあくまで専門の人の話を理解するためのものにすぎません。小学校のとき図工はずっと2でした。(笑)

属している組織・繋がっている組織が人の価値観を規定する

太っている人がなぜ太っているかというと、遺伝とかよく言いますが、実は遺伝というよりも生活習慣や意識がその体型を導いていると言えます。

#医学部が当たり前だった東海高校

#自分はその当たり前がいやだったから文系へ

求められているのは群雄割拠型リーダー

ネットワークのハブになっている人が価値を生じるということが研究によってわかっています。

どんな人と繋がるかというのが重要なのだけれども、同じコミュニティにいる人をたくさん知っていても意味がないわけです。

大学時代に同じコミュニティで過ごした仲間たちが、影響力を持って今社会で活躍している。

#寮のネットワークの凄味

#社長さんの強さの根本

ネットワークは出来上がるものである

「知っている」ということには何の価値もなく、「知られている」ということに価値があるわけです。そうするとそれは相手側の認知の問題ですから、自分の名刺を配ればいいわけじゃなくて、相手にいかに貢献できるかというのが重要なわけです。

フィルタリングの重要性

しかし一定以上有名になると、関わってほしくない人たちもたくさん関わってくるわけで、情報に関してもフィルタリングの重要性は感じますね。

ネットワーク乞食みたいな人とは関わりたくないわけですよ。

でも価値のある繋がりがあれば、連鎖反応が起こって、新たな価値を生むわけです。

Give&Give&Give&Give&Take

これは投資家の方から訊いた話ですが、彼がアメリカに単身渡ったときに、まるで英語3重苦状態だった。読めないし喋れないし聞けない。でもそこで彼は、与えて与えて与えまくることに徹したという。小さいTakeは考えない方が良いと。

何が役に立つかというのは偶発的なものだから、具体的になにかを期待しない方が良い。与えられるものを惜しみなく与えることが重要である。

こうすることで、自分に恩を感じる人との信頼関係ができていくわけです。

こうした繋がりが、取引に発展していったりするわけですね。

そして、私の成果は決して私一人が出したわけではなく、私のコミュニティが生み出した結果だとなるわけです。

#いい結果が出た時にはコミュニティに謙虚になる

Not コミュニティ But ヘテロニティ

普段は全く関わりのない人が、たまたま一瞬だけ同じことをする。そういう組織はとても面白いと思いますね。

・クラブ=スポーツや趣味

・スクール=自学自習のスクール

・ファーム=プロフェッショナルが集まるところ(経営コンサル、弁護士、医者、会計士etc)

マッキンゼーのビジョン

“非凡な人に魅力を感じてもらい、成長をさせ、そして繋がりを持つ”

こうしたところがマッキンゼーのビジョン。

高校生の君に言いたいこと

高校生に、「今何をすればいいですか?」とよく訊かれますが、とにかくいい大学に入れと言いますね。ちなみにカリキュラム自体には全く価値はない。

教育というよりは、同級生に価値があるわけですよ。そしてもう1つ、価値があるのは図書館ですね。

大学というのは、こういったexcessiveな人たちを集めることに価値があるわけです。

#Jobwebで有料セミナーがあったときに財産になるのは内容ではなく、人。