【WEB書評】《ドリパス》を作った男 五十嵐壮太郎氏は、なぜ博報堂を辞めてWEB業界を志したか?
博報堂から起業した五十嵐さん。彼の新サービス立ち上げまでの思考プロセスを追う。
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/135
BtoBにおけるサービス提供の形って、BtoCに比べて数年遅れてるんですよ。
当時、大手のナショナルクライアントにWEBで何かやりましょうと言っても、
そう興味を持ってはもらえなかったんです。
医療業界においても同様に適用される話。
患者目線ではなく、あくまでブラックボックスの中で医療関係者の利益が最大効用を生み出す値でxが決定される。
その結果は今現状の医療業界。
既得権益が壊れるときっていつなのだろうか。おそらくはその既得権益者が死んだとき。
若者にとっては政治の世界でもビジネスの世界でも、5060のおっさんに見えていないものが見えていることってたくさんある。
長期目線で考えるとか、今ある課題を回避して通るんじゃなくてITを使った方法をとれば全員がハッピーになれるんじゃないかとか。
この流れは天動説が地動説に変わった瞬間と似ている。
天動説より地動説の方がシンプルで分かりやすい。難しく考えるのではなく、地動説に沿って考えてみれば全てに説明がつく。この地動説というツールを使って課題をばらせば、すんなりいった。ならばと、若者の間に地動説が広がった。古い人間にはこれが分からなかった。
地動説というツールは今ではITというツールと同様の立場に立っている。
ITを理解した上でいかに課題を解決していくか。ITを使えば課題はシンプルに解決できる。若者の間にIT思考が広がっていった。古い人間にはこれが分からない。
古い人間がいなくなって、世の中の常識が変わった。
今はどうだろうか。医者には定年はないから、それこそ仕事をしなくなったときこそがその人間がいなくなるときだ。製薬企業においてはあと10年もして今の50歳がいなくなれば、だいぶ色が変わるだろう。
BtoBの場だから、クライアントに受け入れられるかという問題がある。
もしクライアントに受け入れられず、企業の中の人もこの考えに及ばないというのであれば、ずっとその環境にいる必要はない。
教育もそうだ、ITもそうだ。合理的な考えを持つ人たちが増えていけば、とてもやりやすいものになる。
今現在、合理的な考え方をする企業はいわゆるベンチャー企業や外資系に多い。
DeNAやGREE、Teach for America、TED、Apple、AMAZON。
これらの企業には今現在の段階で「世界を変える力」がある。
そして国家には今はその力はない。
俺が製薬に決めたのは、件の会社に決めたのは、人を見てだった。
こういう人が重用されている会社なら風土はよいはずだ。
医療の抱える問題を、そして世界の抱える問題を熱く語る自分を受け入れ、最高の評価をしてくれる人がいる会社ならば、思う存分戦っていけるはずだ。そう思った。
いい判断をしたと思うし、製薬の現状を見ながら視野を広く保っていくという意思決定はわるくない。
すべきこと、したいこと、できること。
この3つを常に意識していこう。
そして人とのつながりは、「したいこと」で繋がる部分が大きい。
夢を持ち、理想を描き、ポジティブなエネルギーで満ちていく。
その姿が人を引き寄せ、さらなる成長へ繋がる。
社会的には「すべきこと」のウェイトが大きいだろう。
専業主婦だから家事は「すべきである」
学生なら勉学に「励むべきである」
大学生なら単位を「とるべきである・卒業すべきである」
しかしこういった社会的プレッシャーは、世界が前に進んでいくパワーにはなり得ない。過去の積み重ねでできてきたものだからだ。こういった社会的責任を果たすことの目的は、新たな世界のために社会的パワーを上げることにある。
そして「できること」をどんどん増やしていく。
「したいこと」「すべきこと」が重なっている人間は強い。
ただし彼らの特徴として「できること」が段違いにでかく、
社会的権力をお金や名声の部分で持っている(逆上がりの最終的な段階)、
リーダーとして組織を引っ張っている、という特徴がある。
会社の中で、自分よりも上の存在がいる限り「すべきこと」という部分のウェイトは大きくなる。しかし「すべきこと」というのは世界を前に進む力とはなり得ず、人間的成長に繋がるかどうかというのもはてなだ。このことをリーダーは理解すべきであると思うし、今後共創が求められる日本社会においてどのように人をマネジメントしていくか、というのは日本のリーダーが学ぶべきことであると、僭越ながら思うわけである。