So What?のない人間はいないのと同じ

So what?

So What(だから何)?っていうのは、ロジックツリーなんかでよく耳にする言葉ですが、これのある/なしが(ディスカッションにおいて)その人の価値を決定しかねないですよね、って話。

 

本質的なテーマは、ちきりんさんのこの記事と一緒だと思いますから、リンクはっておきます。

ちきりんの日記

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2013-11-23 「AともいえるがBともいえる」とか言う人の役立たなさ

 

 

ウィスキーはお好きですか

“ウィスキーがお好きでしょ”のCMが好きです。小雪さんから「ウィスキーがお好きでしょ?」なんて聞かれたら、小雪さんと角ハイまで好きになっちゃうわけで。

 

さてさて銘柄は違いますが、白州は知ってますか?

“森香るハイボールの広告が有名で、京都の「山崎」と並ぶ、サントリーのウィスキーです。

 

先日友人と白州を飲む機会があり、ふいに友人が「シングルモルトウィスキーー・ブレンディッドウィスキーの違いって知ってますか?」と話し始めたんです。 

 

友人の話

シングルモルトウィスキーというのは1種類のウィスキーから作るものなんです。対してブレンディッドウィスキーは、複数の種類のウィスキーを混ぜてつくるものです。”

“スコッチも白州も、どちらもシングルモルトだから、一種類のお酒を使っているわけですが、スコッチは1つの樽から注ぐのに対して、白州は複数の樽からつくります”

“なぜだと思いますか?”

 

 ………

 

“味を均一にするためです。白州工場には、ウィスキーをテイスティングする職人さんがいて、彼らが味を均一にするために同じ白州を調合してるんです。”

 

“だからどこでも、白州の12年なら12年の味がするわけです”

 

知ってます。

その話、知ってるよと。

白州工場行ったことあるよと。見学したよと。2回も。

 

だから「なんてことない話だ」とタカをくくって、むしろ話術の方を勉強させてもらったぜ!と思っておったわけですが、友人の“まだ終わりじゃないよ感”を感じ「それで?だから何?」と深堀りしてみました。

 

その結果。

“でね、ここからが本題なんですけど。”

 

 という友人。前置き長いだろ。

 

“スコッチウィスキーって、むしろ1本1本味が違うのがイイらしいんです。”

 

“1本1本違う味を楽しめるっていって、欧州では好まれているそうです。むしろ、最初からそういう作り方をしている。”

 

 ほうほう。

 

“日本は、そうじゃないですよね。「どこに行っても同じ味をあじわうことができる」ことが大事じゃないですか。マクドナルドだって、松屋だってそうですよね。”

 

 友人の話は、ここまで。

 

役に立つこと・立たないことの境目。

最後まで彼の話をきいて「なるほど確かに」と思いました。これまで「知ってる話だなぁ」と油断していた分、ふいに興味をそそられ、気付いたら前のめりで話を聞いてた。

 

友人の会話から突然生まれた『価値』は一体なんだったのか。

 

最初の会話は、単純に工場見学のお姉さんからきいた話をそのまましていただけで、工場見学に同じく行って知っていた私にとって、聞く価値はほぼ0。

でも、彼は白州とスコッチを繋げました。今まで「白州はシングルモルトだけど、複数の樽からブレンドしている」というだけだった薄っぺらい私の認識は、「樽をブレンドしていない、味もバラバラのスコッチウィスキーが、むしろ受け入れられている」という比較のおかげで、すこしばかり厚みを増しました。彼のやっていることは、スティーブジョブズがいくつかの機能をiPhoneに持たせたように、イノベーションと言っていいほどでした。

 

そして彼は頭の中で「ふーん、そうなんだ」とは終わらず、さらにプロダクトの比較(マクドナルドと松屋)を行い、そして抽象化(日本と海外の消費者の意識の違い)してくれました。

 

 

 これを聞いて、私は日本企業の海外進出の壁や、SONYが負けたワケと抱えている問題点、消費者としてどちらが合理的か(個人的にどちらが好きか)、そもそも消費者の意識の差異はどこから生まれたのか、などと、友人と話したいことがたーくさん頭に浮かんできました。

 

 このブログも、彼のように価値を出せるよう。